2019.12.20 Fri co+shegoto2019講座vol.11『販売戦略・営業力を身につける』
1.実施概要
2019年12月20日(金)10:00-12:00
山梨市民会館 4F 会議室401(山梨県山梨市万力1830)
2. 本日の流れ
(1)本日の目的説明
「営業」と聞くと心配や不安を持つ方もいるかもしれません。
それは「売り込み」のイメージが強いから。でも営業の考え方を変えたら、自分自身の事業内容の振り返りができ、自分で仕事を作っていく感覚も掴めていくと思います。
とはいえ、座学で考え方を学んでも、実際の現場で同じようにできるとは限りません。そのため、今日は後半で営業役とお客さん役に別れて、ロールプレイもしていきます。皆さんが想定している対象のお客さんに対して、アプローチしていくというワークショップです。
終わった後、これをきっかけに少しでも誰かに声をかけてみようかなとか、何かの問題解決に動いてみたいなと思えるような時間になればと思います。
今回で今年度のco+shegotoも最終回となりますが、今まで学んで来たことをどう行動にしてくのか…と考える時間にしてください。
(2)チェックイン
この場に入る準備として、チェックインをしましょう。
・名前
・今の率直な気持ち
肩書や職業は必要ありません。1人30秒。
自分の気持ちを話していい、この人たちは自分の話を聞いてくれるといいう雰囲気を作っていきます。
(3)「営業」とは
今回は「なぜ人は買わないのか」という、買わない理由を挙げた上で、どうアプローチしたら買うのかを考えていきたいと思います。
Q,「営業」ってどんなイメージ?
— 嫌だ。やりたくない。
— 売り込まれた経験がある
— 不安
Q,高価なものを購入したいとき。お金もある、何を買いたいかも分かってる。購入条件がそろっているにも関わらず買わなかった。それはなぜ?
— 店員や担当者の態度が悪かった
— 広告イメージが嫌い
— 商品が合わなかったらどうしよう
— その商品にトキメキが沸かない
— 今すぐじゃなくてもいい(他のところも見てみよう)
●買わない理由
「買わない理由」はそれぞれありますが、大体4種に分けることができます。
今回、皆さんが客側として考えてみましたが、逆に営業側として考えても同じことが言えます。皆さんが誰かに営業するとき、相手はこういうことを考えています。「この人から買っても本当に大丈夫かな?」「この商品やサービスは私の問題を解決してくれるのかな?」「買った後もフォローしてくれるのかな?」等。
ポイントは、質問しながら、相手の持つ問題にお互いが合意していくということ。話をしながら、どういうニーズがあるのか、どういう問題があるのかを互いに整理していく時間です。さらに、その問題に対して、商品の説明がきちんと出来ているかどうか。それが、そのお客様の問題解決になっているかどうか。
買わない理由をちゃんと潰していかない限り、いくら商品の説明をしたところで買ってはもらえません。
●「営業」の捉え方
同じ営業職でも、1年目でものすごく売れている人と、10年経ってもなかなか売れない人がいます。つまり、経験年数はあまり関係ないということ。お客さんから、その営業担当者がどうみられているのか。営業担当者が何を主体に置いて話をしているのか。商品やサービスの説明ばかりなのか、その人の課題を知ろうとしているのか、会社のことや経営のことまで考えようとしているのか。
営業担当者とお客さんの間に信頼関係が生まれてくると、ただの物売りから、ビジネスパートナーとして認識されるようになっていきます。商品の説明だけで終わってしまっては、もったいない。商品の魅力をしっかり話せるようになってから、相手の話も聞けるようにしていくことが大切です。
POINT
☆営業は売り込みじゃない
ー営業は問題解決。だれかの問題を解決するためのアプローチ。自分の売り上げも上がり、相手の問題解決もできる。win-winの関係。営業成績の良いひとは、話がうまい人とは限らない。
☆断わられても、その人を否定しているわけじゃない
ー忙しいかもしれない、今すぐじゃなくてもいいと思っているかもしれない。何か理由がある。その理由をちゃんと考えてみる。誰か他の人を紹介してもらうという方法も。
(4)ロールプレイ(7分ずつ)
①半分が営業役、半分がお客さん役として営業ロールプレイ。
実際に自分の商品やサービスを紹介していきましょう。
②お客さん役は5つの役割に別れる。
ちゃんと質問に応えてくれたら買う役とか、信頼できると思えば買う役とか、絶対買わないという役の人もいます。
※まずは、自分の商品・サービスがどんなものかを整理し、何を質問したら自分の商品やサービスが相手のニーズに合うかを考えてみます。どんな人が自分のターゲットのお客さんなのか。その人はなんで買ってくれるのかを考えるといいでしょう。
(ロールプレイ終了後)
③営業役、客役それぞれで振り返り
・営業役→何人に声をかけたか、買ってくれたのか、どういう風に声を掛けたら相手の反応が良かったのか、どういう工夫をしたのか
・客役→どういう声かけが良かったのか、もしくは嫌だったのか等。
④営業役の人に、「良かった点」「改善点」を付箋に書いて渡す。
(5)講師とbond placeスタッフとで良い例と悪い例を営業実演。
●悪い例…質問が一回で終わっている。本当に必要としているか分からない段階で、売り込みになる。
●良い例…いろんな角度で聞いていく。その人の「問題」は「現状」と「願っている状態」のギャップ。つまり、現状が何で、願っている状態がどこなのかを聞いていく必要がある。
(6)チェックアウト
今日の講座を終えて、
・取り入れてみたいこと
・今までやっていたけど、よくなかったからやめてみよう。もしくは継続してみよう。
ということを自分なりに振り返って、グループシェア。
3.参加者の様子
co+shegotoも回数を重ね、参加者同士の繋がりも増えていき、会話も増えていました。
講座内で、営業の知識をインプットした後に、参加者を、営業をする側・お客さん側に分かれロールプレイをしました。営業をする側は「緊張した。」という方も多くいましたが、終わった後は参加者にも笑顔が見られどこか楽しみながら取り組んでいる様子でした。
ロールプレイで、緊張しながらも営業の練習をしたことで、チェックインした際に「営業が苦手だから営業力を身につけて帰りたい。」とおっしゃっていた参加者も「苦手意識を捨てて、楽しんで積極的に営業したい」と最後に感想を述べていました。
4.参加を通しての気づき
講座11「販売戦力・営業力を身につける」を通して、営業に対する意識がとても変わりました。参加者にも多くいたように、自身も営業に対してあまりいいイメージがなく、いざ自分が「営業をする側になる」ということを考えると苦手意識がありました。
講座内で、営業の知識をインプットしてその後にロールプレイをしたことで、緊張しながらも教わった事を意識して模擬営業を行うことができました。
ロールプレイ後に「上手くできたかな?あれで良かったかな?」などの不安がありましたが、お客さん役の人が営業役をした人に対して、ポストイットで良かった点と改善点を教えてくれた事により、不安も消すことができ前向きになれました。
今回の講座に限らず、co+shegotoに参加して「不安な事・苦手な事」も見方を変える・方法を変える事で、その「不安を拭えたり、苦手ではなくなる」という事が分かったので、これから先「不安な事・苦手な事」が出てきてもco+shegotoで教わった事を忘れずにいこうと、心に強く思いました。
1.実施概要
2019年12月17日(火)
【午前の部】10:00-12:00 甲州市役所(本庁舎) 2階 第一会議室
【夜の部】19:00-21:00 9K舎(きゅうけいしゃ)
2. 本日の流れ
①本日の目的説明
この講座では、こんなことをやりたい! でもまず何からやったらいいんだろう?どうすればお金が回るようになるんだろう?これから先も長く続けていくためにはどうしたらいいんだろう?を考える機会にしていただきたいと思っています。
また、これらのことを自分1人で悩むのではなく、いろんな分野で活動する他の参加者や支援機関の皆さんと一緒に考えながら、講座が終わった後も相談に行けるつながりを作って帰って欲しいと思っています。
②カードを使って自己紹介
まずは今日ここにどんな人が来ているのかを知る時間として、チェックインを行いました。Points of You®というカードを使い、普段とは一味違った自己紹介。
3人1組のグループをつくり、自分や同じグループの人が選んだカードを使って、この3つのテーマでお話していただきました。
曇っている自分の気持ちを明確にしたい!この写真のカラフルな靴下のように、ワクワクしながら一歩を踏み出せるようになりたい!
カードに写っているものに着目し、自分自身の想いを話していきました。
③ビジネスモデルとは?
今回の講座のテーマである「ビジネスモデル」について、講師を務めていただいた合同会社カタコトデザインの内田さんからご説明いただきました。 モノやサービスで溢れかえっている現代では、ただ作っただけではなかなか売れない。同じような商品・サービスがある中で自分のものを選んでもらうためには、「誰にどんな価値を届けるのか?」が必要になってきています。
この価値をどう生み出し、どんな人にどうやって届けるのかを整理したものが「ビジネスモデル」というもの。
この”価値”を理解するワークとして、こんな2つのテーマでグループごとに考えていただきました。
その1「遠方の夫の実家に持っていくお土産として、どんなお菓子を買っていく?」
その2「近所の気のおけないママ友5人との女子会に持っていくなら、どんなお菓子を買っていく?」
実家に持っていくものとしては、地元銘菓のお菓子や地元の名物であるぶどうなどがあがりました。一方、女子会にもっていくものにはオススメのお菓子やケーキ、手作りのもの、ちょっと格上のチョコなどがあがりました。
同じ「お菓子を買うとき」でも、お客さんによって買う理由は様々だし、同じ人でも買うタイミングによって求める価値は変わってきます。
今回の講座では、この”価値”に注目しながら自分自身のやりたいことを整理していくことにチャレンジしてもらいました。
④グループ活動 (聞き取り)
自分自身の価値を自分で発見するって、なかなか難しいですよね。 だからこそ今回の講座では「相手に自分の魅力を整理してもらおう!」ということで、ここからは参加者の女性と支援機関の方の2人1組のペアで進めていきました。
そのペアで相手のビジネスややっていきたいことを聞きながら、ビジネスモデルキャンバスというシートに付箋でメモを取っていきました。
相手の話を聞きながら、「お客さんはこんな人ですか?」「お客さんにとっての価値はこれですか?」「それができるのはあなたにどんな強みがあるからですか?」などと質問していきながら、相手のやりたいことやビジネスを聞きながらまとめていただきました。
自分1人で整理するものなかなか大変です。 だからこそ今回の講座では、誰かに聞いてもらいながら客観的にまとめてもらうということにチャレンジしました。
⑤グループ活動 (紹介)
ペアでお互いのビジネスを聞き取ったところで、相手のビジネスを他のペアの人に紹介するというワークを行いました。
この人はこんな活動をしていて、こんなお客さんにこんなパートナーと一緒にこんな価値を届けています。といったように、聞き取った相手のビジネスを紹介していきました。
⑥まとめ・チェックアウト
最後にチェックアウトとして、ポストイットに「24時間以内にやること」を書き、グループの皆さんに発表して終わりとなりました。
実際にやりたいことを書き出したことで、より明確になった!
同じ地域で似たようなことにチャレンジしようとしている人がいることを知れて嬉しかった。もっとつながりたい!
そんな感想がありました。
3.講座の狙いや運営側の思いも紹介
今回の講座は「自分のやりたいことを、相手に聞いてもらってまとめてもらう」ということにチャレンジしてもらいました。やっている業種が違う人・年代や地域が違う人に向かって自分のやりたいことを話す。「ちゃんと話せるかな…」「ダメ出しされないかな…」という不安もあったかもしれません。でもこうして相手に話してみたり、相手からの質問をもらったりすることで、自分自身の思いが整理されたはず。
ぜひ今回の講座でご紹介したビジネスモデルキャンバスなども活用していただき、自分1人だけではなく、講座で繋がった支援機関の方々など、誰かの力も借りながら自分自身のやりたいことや事業を整理する機会を作っていただきたいと思っています。
4.参加者の様子
自分のビジネスモデルを誰かに書いてもらうという機会はなかなかないかもしれません。やはり自分だけで書いていると行き詰まるところもあります。そこで、自分とは考え方や価値観が違う人に、自分のやりたいことを聞いてもらい質問してもらいながら書いていくことで、より整理されるんだと思います。
「自分のやりたいことにダメ出しされたりしないかな…」という不安がある方もいらっしゃったかもしれません。今回の講座で、思い切って誰かに話してみることで得られるものを感じていただけていたら嬉しいです。
2019.12.13 Fri co+shegoto2019先輩起業家との交流会2「双子のお母さんの悩みが、アイデアに変わった!ふたごじてんしゃ物語」
1.実施概要
2019年12月13日(金)10:00-12:00
セミナールーム昭和 山梨中央銀行昭和支店 2階 中巨摩郡昭和町飯喰1533−1
《ゲストプロフィール》
中原美智子氏
ふたごじてんしゃ代表取締役社長/NPO法人 つなげる代表理事/社会福祉士/
一般社団法人 日本多胎支援協会 (双子)理事
2010年双子誕生。2011年に双子を乗せたまま自転車で2回転倒。それを機に双子でも乗れる自転車がないか…と活動をスタート。2014年、中原製(試作)が完成。2016年7月(株)ふたごじてんしゃ設立。2018年5月 OGK技研(株)より、一般発売開始。
自転車は物。物は支えてくれるツールになるが、根本的な部分の解消は難しい。人は人でないと、支援ができない。その想いから、人が繋がる場所として、「NPO法人つなげる」を設立。
子どもは、高校1年生の長男と小3双子の3兄弟。
2. 本日の流れ
(1)本日の目的説明
今回の「先輩起業家との交流会」ゲストは、株式会社ふたごじてんしゃ代表の中原美智子さん。中原さんが、なぜ双子専用の自転車を立案し、会社を創業したのか、その経緯や想いを伺っていきます。
その中で、ぜひ持ち帰ってほしいことがふたつ。
1つは、「自分軸を発見していく」ということ。
これから起業をし、事業を回していく過程の中で、行き詰ったり不安に襲われることがあります。その時に大切なのが、「なぜやるのか」「なぜ私じゃなければダメなのか」というブレないための軸がしっかりあること。中原さんは、そういった自分の軸をしっかり持っている方。起業すること自体は、実はそんなに難しくありません。でもせっかく起業したのなら、できる限り続けていってほしい。自分軸を発見して、「辞めない理由」「諦めない理由」をしっかり作っていくことも必要です。
もう1つは、「関係性の質」を上げるということ。
事業で成功したいと思うと、アイディアや行動が必要ですが、ただ単に「アイディアを」と言っても、なかなか良い行動には結びつきません。その言葉の裏にある背景を感じ取って、引き出してあげること。関係性をしっかり作ることで、それが可能になっていきます。支援機関さんには、今回のお話を聞きながら「まだ何をしていいのか分からない」という段階から、女性が持つ可能性を引き出して、サポートしていってほしいと思います。
(2)チェックイン
・名前
・今日の期待
をグループ内でシェアしていきました。
(3)ふたごじてんしゃ物語(前編)
なぜ私はこんなに不自由なのか…
私が双子を出産したのは、2010年のこと。
当時も今も、多胎児は毎年一定数誕生していますが、社会ではマイノリティ。だから、その人たちの「大変」という声は、あまり社会に出てきません。私自身が双子ママになるときも、どういったことが大変かということを教えてもらう機会もなく、実際に生まれてから、こんなに大変なんだと知ることになります。
でも「大変だ」とうっかり漏らしてしまったら、感情が溢れ出て、もうコントロールできなくなるんじゃないかと思って、歯を食いしばってがんばっていました。ツラくてツラくて、虐待してしまうのではないかと恐怖を感じることもありました。そんな中で、どうにか感情をコントロールして、流れ作業のように育児をていたんです。出かけることも少なくなって、外との繋がりもなくなっていくと同時に、私は子どもたちの健全な発育の機会を奪っているんじゃないか、母として失格なんじゃないかとすごく不安な時期を過ごしました。
1歳半を過ぎた頃、大阪では子どもたちとの自転車お出かけデビューが始まります。長男の時も自転車でさまざまな公園に連れて行って、たくさんのものを見せてあげることができました。
ーこの子たちにも同じようにたくさんの世界に触れさせてあげたい…
そう思って、自転車の前と後ろに1人ずつ乗せることに…。でも前後に乗せた自転車は不安定で、1年の間に2回転倒。血だらけになりながら、我慢していた気持ちがぷつんと切れました。
―もう、いやや…なんで私はこんなに不便なんだろう…。なんで子どもたちにこんな恐い思いをさせてしまったんだろう…
その時に「もう二度と転ばない自転車に乗るんだ!」と決意しました。諦めるばかりじゃなく、自分らしい子育てをするんだと常に内省しだしたのもこの頃からです。
でもその当時、双子用自転車はありません。
「ないなら作ろう!」と思って突き進んできました。なりたい自分は自分の中にイメージがある。だから諦めない。やっぱりそれになりたい。次にするのは「やり遂げる」という決意しかありませんでした。
自由を得た瞬間
最初は、近所の自転車屋さんを尋ねました。
「後ろに2人乗せられて、転ばない自転車がほしいです」と。
ところが自転車屋さんは「ここでは自転車は作ってない、作ってる人も知らない」と教えられます。。手探りどころか、もうどうしたらいいんだろう…というところからのスタートでした。
それから手当たり次第、いろんなことを調べたり、自転車業界の方含めて、様々な方に聞いて回りました。そのときに、
「『ない』ということは、その理由があるはずだから考えなさい」
ということも言われました。それもそうだなと思って調べてみたけれど、やはり納得できるような答えには行き当たりません。誰も答えを持っていないんです。だから、街頭に立って、いろんな自転車を観察しては、その持ち主に声をかけていきました。そのときに自転車は改造できることを知り、それをきっかけにリサーチ方法も広がっていきました。
そうやって街を観察していると、不自由そうなママたちの姿も目にすることができました。険しい顔で必死に子どもを乗せている人たちがいました。子どもが話しかけても、運転に必死なのか、会話することもままなりません。
「やっぱり大変なんだ」
そう実感できる場でもありました。
その後、リヤカーを作っている会社に交渉し、ようやく試作品である「中原製」ができたのが2014年。嬉しくて嬉しくて、「自由だ~!!!」と叫びながら、双子と一緒に町内を走りました。
私もこれで普通のお母さんになれる。
公園にも、習い後にだって連れて行ってあげられる。
その喜びを噛み締めながら、でもまだ同じように不自由さを抱えている人もいるのだ…と、次の目標に進む決意をしたのでした。
(前半感想シェア)
●結局「熱い想い」というのが一番大事なのかもと思えた。
●自分が困っている事がビジネスチャンス。
●奉仕の精神だけじゃ続けられない。
●車社会の山梨では、こういった事業は思い浮かばなかったのかも。
●「わかる!」の共感。
●力を持つことの恐さ。経験から「無理」とか「違う」と言ってしまっていたかも(支援機関)
●もっと聞いてあげたら(支援機関側が女性の背景にある話をもっと聞いてあげたら。体全体でその人たちを感じてあげる。インタビューじゃなく、インタビューじゃ出てこない。それを中原さんはやっていたのではないか)
(4)ふたごじてんしゃ物語(後編)
悔いのないところまでとことんやってみよう
自分が得た自由と同じように、今苦労しているママたちにも笑顔を届けたい。
自然と「製品化」が、次の目標となりました。
でもその当時ははまだ、メーカーも決まっていない状態。試作を手がけてくれた会社も手を引いてしまいました。
途方に暮れていた時に、ハッとしたのが、いつもお願いしている税理士さんの言葉でした。
「中原さん、いつもいろんなものを背負っているように見えるけど、中原さんがもう無理だと思って止めたからって、だれも何とも思わないし、だれもあなたを責めない。だから、そんなに背負わないでください」
それを聞いたとき、肩の力がスッと抜けたと共に、気持ちいいくらいの覚悟ができました。
― まだこの活動が広まっているわけではない。いつでも止められるんだし、とりあえずやれることはやってみよう。思いつく限り、悔いのないところまでやって、それでもダメだったらスパッとやめよう。
そこから、「恐怖と向き合うためには」「継続するためには」ということを考え始めていきますが、挫けずにとことんやってこられたのは、その税理士さんの言葉があったおかげだと思っています。
前進する力
この自転車を商品化していくためには、まずしっかり法律を知らなければいけません。この自転車に乗ったママたちが、誰かに非難されるなんて、あってはならないことだから。
何度も道路交通法を読み込んで、大阪府警にも確認に行きました。
その後、この事業をしっかり進め続けていけるように、知的財産権である意匠権と商標の登録もしました。
そして、継続していくために最も必要だったのは、仲間の存在でした。
事業を始める当初、地域のママ友に声をかけると困惑させて見られてしまったので、身近なところで仲間を作るのは断念。さまざまな機会に、私が苦手としているところや困っていること、どんな協力が欲しいのかを恥ずかしがらず伝え続けていきました。そうすると、自然と手を貸してくれる人が集まってくれました。
また、その頃からさまざまな創業セミナーにも顔を出すようにしていましたが、
「そんなこと言ってないで、双子のお子さんの世話をしてあげて」
と言われてしまい撃沈…。
ようやく辿り着いた相談先が大阪府の「よろず支援拠点」でした。そこの担当者が初めて「中原さんの熱量を応援したい」と言って、事業計画書の書き方等も丁寧に教えてくれました。
その事業計画書をもっと伝えやすく、わかりやすくしたものが「ビジネスモデルキャンバス」。難しい言葉で事業計画を書くのは苦手だったけど、このビジネスモデルキャンバスだったら自分の持っている想いを表現することができました。思いのたけを受け止めてくれる人がいること、それを表現できるツールに出合えたことで、前進する力を得ることができました。
そんな中、2015年末にOGK技研の方から、「その活動や自転車について、話を聞かせてほしい」という連絡がありました。そこから共同開発が進み、2018年に晴れて発売。
双子を乗せたまま転んだあの時から、実に7年の歳月が流れていました。
笑顔にならない人には届けてはいけない
自転車が発売されたからといって、それで目標が達成されたわけではありません。
私が目指しているのは、自転車を売ることではなく、大変な苦労をしているママたちに「出かけられる」喜びを体感してほしいということ。
だから、「笑顔にならない人には届けてはいけない」というが絶対の条件でした。
そのためには、この自転車の苦手とすることも伝えていく必要があったし、私たち作り手と、使うママやパパたちとの間に齟齬が起きないように届けなければなりません。
そこで思いついたのが「アセスメント販売」という方法。
まず使用方法や注意事項が視覚で分かるように動画を作成。そして、その動画を観たかどうかのチェックや住環境の確認、この自転車で叶えたいこと、どんな生活がしたいか等を自由記述で記入できるようにもしました。それによって、この自転車の合う合わないの評価が出せるようになってます。
その作業を経て、初めてふたごじてんしゃが購入できるシステムにしました。
メーカーとしては、ネガティブな要素を出したり、せっかく購入したいと思って来ている方に「あなたはこういう理由だから、止めてほいたほうがいい」と水を注すようなことをするのは抵抗があったと思います。それでもOGK技研さんは、私たちの想いを受け止めて、賛同してくれました。
みんなで支え合って、外に出たいという家庭を応援したい。ユーザーになったから、お金を払ったから、私はお客様だという考えを持ってほしくもありません。これを作るまでに、たくさんの企業をまわったけれど、なかなか協力してくれるところはありませんでした。いくらお金を積んでも、それを作ってくれる人がいなかったら、私たちの生活は便利になりません。企業側としても、いくら消費者のためにと安全を考慮して作っても、みんな好き勝手に使うから恐くて仕方がないと言います。
つまり、作り手側にすごく優しい想いがあっても、消費者がそれを知らなかったら、齟齬が生まれて、せっかくの商品の価値も落ちてしまうことになります。そこを埋めてくれるのがアセスメント販売でした。この自転車に関わってる人が全て幸せであるように願いを込めての新しい販売方法。
これが功を奏してか、自転車を届けられた方たちから喜びの声が届いています。
*
それでも私の想いが全て実現したわけではありません。
まだまだがんばらなければいけない。せっかく生まれてきた命。それを当たり前に喜べる社会を願って活動を続けていきます。
皆さんも、常に常に内省し、自分のこころの声を信じて進んでいってください。
________
(後編振り返りと質問タイム)
Q,家族の反応は?
ーやってもいいけど、家族に迷惑をかけないでね、という反応でした。子どもが寝たタイミングで活動(電話をしたり)をしたり。主人が「この自転車本当にいいな」と言ったのは、双子が年長のとき。それまでは「俺困ってない」と言っていました。
Q,資金は?
ー結婚前に子どもの学費用と思って貯めいていた貯金を使いました。使ってもその分、回収すればいいと思ったので。だから、学生さんに聞かれた時も、結婚する前に貯めいた方がいいとアドバイスしています。
Q,仲間づくりのコツ
ー手近なところではなく、SNSとか全然関係ないところで声を上げて行きました。
Q,アセスメント販売は手間も時間もかかると思うけれど、そうしようと思った紆余曲折を教えて欲しい
ーメーカーさんは最初ネット販売をしようと言っていました。一つの地域に双子がたくさんいるわけではないので。でも特殊な自転車だから、ネットにしてはいけない。メンテナンスが大切です。ママと子どもを見守ってくれる地域の自転車屋さんが大事なんです。本当に必要な人にだけ届けて、そしてその人が「生活が激変した!」と言ってくれます。それが各地で続いていけば、それが文化になります。
また、OGK技研さんがこれまで誰もやってこなかったことをやってくれたということを、いろんなママや社会が知ってくれたら企業イメージも上がります。そういうことを伝えていきました。
(5)チェックアウト
ポストイットに感じたことを書いて、グループでシェアして終了。
3.参加者の様子
co+shegotoも会を重ね、参加者の雰囲気も柔らかくグループ内で意見や、感想を共有する際も積極的に発言していました。今回お話を聞いて多くの参加者が中原さんの「自分軸の強さ」から「自分軸を持つ事・事業に対する信念・やり続ける重要さ」の大切さを学べたと思います。
また、各グループでの感想共有時に、中原さんの「強さと信念」を見習いたい。と多くの参加者が語っていました。
講演の最後に中原さんのご厚意で、終了後も参加者の話を聞きたいと仰ってくださり、講演後に、参加者の事業の目標や悩みを聞いたり、写真をとったりと交流してくださいました。
4.参加を通しての気づき
「先輩起業家との交流会2」を通して、事業を進める・始める上でとても大切な事を学べました。
ふたごじてんしゃを作る為にとった様々な行動から、「自分軸を持つこと・自分を曲げないこと」の大切さを改めて感じました。「自分を曲げない、楽な方に行かない」事は強い信念が必要で、簡単なことではありませんが、楽な方へ流れないように自身を客観視したり、内省したりして後悔のないように進めたらいいなと思いました。
また、「安心安全な移動ができる幸せ」を増やす為にアセスメント販売を行ったことに対して、「困ってるお母さんを助けたい・幸せにしたい」という中原さんの強い思いを感じて本当に感動しました。
今回のセミナーでは、事業においてだけでなく、後悔のない人生を送る為に大切なことを同時に学べたので、起業を目指してる方、事業を伸ばしたい方に限らず全ての人に聞いてもらいたいと思いました。
2019.12.10 Tue co+shegoto2019 先輩起業家との交流会1「越境&越冬するぞ!」
1.実施概要
2019年12月10日(火)10:00-12:00
TERROIR 愛と胃袋(山梨県北杜市高根町長澤414)
2. 本日の流れ
(1)本日の目的説明
この講座を開催するにあたり、北杜地域の起業家や支援機関の皆さんとお話していく中で、「冬の間に観光客が減ること」をどう乗り越えていくのか?が大きなテーマになることを教えていただきました。また移住者も多いこの地域の中で、都会になくて田舎にあるものをどう活用してビジネスにしていけるのか?を考えていくこともキーポイントになることを知りました。
今回は「先輩起業家との交流会」と題して、これから起業する人・もうすでに起業している人・起業を応援する支援機関の人などにお集まりいただき、「冬を超える」「地域を超える」「自分自身の固定概念を超える」そんなテーマでお話していきました。
(2)チェックイン
参加者の皆さんには5〜6名でグループを作ってもらい、その中で自己紹介を行いました。
話していただいたのは
・お名前
・今どんなことに取り組んでいるか?
・今日の講座への期待
の3点です。
「普段なかなか会わない人たちと話して刺激を受けたい!交流したい!」
そんな声がありました。
(3)ゲストトーク TERROIR 愛と胃袋 石田 恵海さん
講座の会場としても使わせていただいたTERROIR 愛と胃袋の石田さんをゲストに、お店のこと・地域のことなどをお聞きしました。
Q:東京から移住してきて感じた、思っていたよりもなかったものは?
A:観光地として知られていないのがもったいないと感じた。旅はそこに向かう道中も楽しめるサービスがあるのだが、東京から北杜へ来るのに乗る特急列車はすごく出張感があって「違うじゃん!」って思う。実際に自分たちがこの地域でお店を開くようになってから、そういうことに気づくことができた。
Q:田舎のコミュニティに移住してきて入っていくのってどうだった?
A:北杜は移住者が多く独特なところがある。移住者は移住者同士で関わることが多く、地元の人と関わる接点を持ちづらいところもある。地元の集まりに行ったり、地元の業者に仕事を頼んだり、そうしたことを繰り返しながら少しずつ知っていくことが大切。
Q:冬の集客が減ることに対してはどう考えている?
A:確かにお客さんの数は少なくなるが、薪仕事やお店のメンテナンスなどやることもたくさんある。夏にたくさんの観光客が来て、やっと落ち着くのが11月くらい。少ししたらクリスマスがやってくる。忙しくて整理できていないものをじっくり整えることができるのが、この冬の時期。また、お客さんが少ない時期は「チャレンジ期間」と捉えている。そのチャレンジで得た経験や学びを、また来期に繋げていける。
(4)地域の困りごとをアイデアで解決してみよう!
「〇〇がないから…」で終わるのではなく、「ないならどうつくるか?」そこに新たなビジネスのチャンスがあると思っています。
ここからの時間では、グループごとに「いま地域で起きている・これから起きそうな困りごとや課題」を出していきました。
そしてその課題の中からいくつかを選び、それを解決するビジネス・サービスのアイデアを考えてみました。
(7)チェックアウト
最後に今日の講座を通して気づいたこと・感じたことをグループ内でお一人ずつ話していただきました。
「1人でアイデアを考えていると、どうしてもすぐに否定してしまう。今日はポジティブな雰囲気で誰かと一緒に考える空気感のすごさを感じた」
「自分は大きいアイデアを出していくのが苦手なんだとわかった」
「課題は捉え方によっては、資源や楽しさの源泉にもなる。身近なところからやれたらいい」
そんな感想がありました。
3.参加者の様子
今回の講座では、様々な分野に取り組んでいる起業家の皆さんと支援機関の皆さんが一緒になって、感じている課題や困りごとからビジネスアイデアを出してみるということに取り組んでもらいました。
こうした困りごとも捉え方によっては資源になることを実感していただけたかなと思います。また、こうしたアイデアも自分1人じゃなくて、誰かと一緒にやることで、楽しみながらたくさんのアイデアが出てきたと思います。
いきなり大きなことをやるのではなく、小さくやってみて振り返って次にいかす。そんな小さいサイクルを何回も回すことにこれからチャレンジしてみてほしなと思います。
2019.12.6 Fri co+shegoto2019先輩の現場見学会2「6次加工&小売販売系の現場訪問」
1.実施概要
2019年12月6日(金)9:30-14:30
《訪問先》
2. 本日の流れ
(1)本日の目的説明
co+shegotoの役割のひとつは、「何かを始めたい」と思っている女性と、そのちょっと前を歩いている先輩起業家さんたちとを繋ぐこと。
今日は、農業を営みながらも、自宅の縁側を解放してカフェをオープンし、果物を使ったスイーツなどを提供している縁側茶房さんや、家業で育てている果物をドライフルーツに加工して販売している方などを尋ねます。農家は1年仕事があるわけではありません。じゃあ、農閑期は何をするのか。今回見学させていただくお二人のように、加工品を作ったり、カフェを経営することも1つ。9K舎でお話を聞くLINKwith&Co さんや甲州KULAS(こうしゅうくらす)さんのように、他の仕事をすることもできる。これはまさに今でいう「パラレルキャリア」ではないでしょうか。
co+shegotoが始まる前、ある女性が「3か月先の大きな仕事を受けられない」と言っていました。3か月先に子どもがインフルエンザになるかもしれないし…と。すごく能力のある人でもそうやって諦めなければならない。でも、たとえばチームで担うことで、みんなで補い合うことができて、大きな仕事を受けることができるかもしれません。今回、4名のお話を聞くことで、1人でがんばることも大事だけど、チームを作ったり、出来る人と組んでいくことも大事だということを知るかもしれません。
そのようにさまざまな方法で事業を進めている先輩たちがいることを、話を聞き、現場を見ながら参考にしてください。
(2)自己紹介
バスの中で1人1人自己紹介。お名前や今日の期待などを話しました。
(3)縁側茶房
縁側茶房さんは、名前の通り縁側のみがカフェスペース。
縁側から障子1枚を経た家屋は三森さんご家族の居住スペースです。
体調を崩された高齢のお父様や認知症を患ったお母様も一緒に暮らしていたため、やむを得ず、縁側スペースのみとなったそうですが、限られたスペースだからこそ可動域も広すぎず、接客対応できるのだそう。
ぶどうの丘から駅までの中間地点にあるため、観光客のちょうど良い休憩スペースとなっています。
《三森さんのお話》
●きっかけ
ー 都内で働いていましたが、縁があって勝沼に嫁ぎました。
義母から農業のお手伝いに来てくださる方に、手作りのものをふるまってほしいと常々言われていたので、最初はそのために作り始めました。お手伝いに来て下さる方の労をねぎらうとか、元気を出してもらうという意味だったのだと思いますが、その方たちからも「美味しいからお店をやったら?」と、もう何年も言われていました。
転機となったのは、5年ほど前。息子が就職活動をしていて、この地を出ていくかもしれないとなったときに、息子も勝沼や我が家に帰りたくなるような場所になるといいなと、準備を始めました。
●オープンまで
ー プレオープンは2014年9月6日。オープンはその数日後の13日でした。
県に事業の相談に行ったのが、同じ年の5月か6月だったので、3~4か月後に開店まで漕ぎつけました。
ふどうのお手伝いをしてくださるお友だちにも相談したら、みんな賛同してくれて、ここで躊躇したら動けなくなる!と思ったので、ぶどうの作業が終わった翌日に県庁に電話し、6次産業課というところに相談に行きました。その後、日本政策金融公庫で「女性の起業を応援します」という一文を見つけて、自分のやりたいことが世の中に通用するのか判断してもらおうと、融資の申し込みもしました。当時、それを「返済する」というのが原動力の1つとなっていたように思います。
9月オープンにしたのは、ぶどうのシーズンを逃す手はないと思ったから。オープン当時は、子どもたちも農作業をいつも手伝ってくれているお友だちも手伝ってくれました。
●めげずにがんばれる原動力は?
ー この事業だけで収益を上げていくのは本当に大変なことです。じゃあなんでやってるかというと、みんなで手塩にかけて育てたぶどうを食べていただきたいということ。「もったいない」というみんなの想いを大事にしたい。
●一番の相談相手は?
ー 信頼している友人が「三森さんに力を貸してくれる人を信じて、頼った方がいい」と言われたんです。まさに、それが商工会の大久保さんでした。
●持続化補助等利用されていると思うんですが、他にどんな事が力になったのか。どういう広報をしていったのか。
ー 開店当初、子どもがHPやチラシを作ってくれました。一度テレビの取材を受けたら、回せないほどのお客様がいらして、それ以来テレビにはあまり出ないようにしています。
●今後は?
ー 新鮮なぶどうを長い期間楽しんでいただくために、補助金を使って冷蔵庫を入れました。また、現在、加工品を都内の直売店に卸業者さん経由で置いていただいているので、評判が良ければ、直接取引をしていきたいです。
また、今は手伝ってくれている友人たちと、思い出を話しながら、慰安旅行に行くのを楽しみにしています。
(4)9K舎(LINKwith&Co / 甲州KULAS)
《9K舎(きゅうけいしゃ)とは》
日替わりで活用しながら、それぞれがやりたいことを実現できる場所のひとつとして運営している。
コワーキングスペースとして、いろいろな人たちが利用している。地域の人たちがいろんな事ができるようにオープンしているスペース。
*
●甲州KULASとは?
ー 小忙しい主婦の集まりです。
2018年度に地方創生事業の一貫で、勝沼市役所の前にシェアオフィスを作ることになりました。そこを利用をするにはテレワークをする人たちが必要ということで、クラウドソーシングをしている「ランサーズ」と組んで、新しい働き方講座というのが開催されました。
約2か月間、農閑期に暇になるであろう人たちに向けて、クラウドソーシングやwebライティングについて開講され、そのままその受講生が集まったのが、「甲州KULAS」のはじまりです。
その後、「甲州ライフ」という甲州市の移住支援ポータルサイトの企画のひとつである、「甲州でできる54のこと」という甲州の暮らしに関わる記事の執筆をはじめ、みんなで様々な仕事をさせていただくこととなりました。とはいえ、チーム内に共通認識がなかったためか、初期メンバーが次々抜けてしまうことに…。どうしたら、持続できるだろうかと考えたとき、“私たちは個人事業主の集まりなんだ”ということをしっかり全員が理解することなのだと気付きました。そうすることで、だれか1人の責任にならず、個々に責任感が生まれます。今は、9K舎を使って、週に1回集まり、情報シェア等をしています。
●チームのような形態で仕事をするメリットは?
ー 個人で仕事をしていると、良かったことや反省点をためこむだけで、アウトプットする場所がありません。チーム形態であることにより、ガス抜きも情報交換もできて、刺激にもなる。「忙しい自慢していいよ」といってあるので、自分が今努力していることを伝えあう時間もできています。
《甲州KULAS三森さんからメッセージ》
子どもがいることで、忙しくなりはしましたが、逆にまわりに目を向けることができたと感じています。子どもを通して、地域のつがなりもできました。その中で、社会を作ってるのは、主婦やそこに息づく地域の人なのだと感じています。地域づくりも子育ても仕事も…と並行して、さまざまな事ができるというのは、ある意味社会人として最強だとも思えます。
まちづくりをしている行政の方にお伝えしたいのは、地元に根付いた私たち主婦のような人材を使うことが、地域創生になるのではないかということです。ぜひ、主婦の隙間時間を活用していただきたいと思います。
*
●LINKwith&Co とは?
ー 現在、代表である宮下含め、4人で運営している在宅就労支援事業をしている会社です。現在、ワーカーは190名ほど。多くが山梨の方ですが、千葉や東京などの方も登録いただいています。
主な業務としては、県内の企業から在宅で出来る仕事をいただき、なかなか外に働きに出るのが難しい就労困難者(子育て中、介護中、ひきこもり等)に仕事を振り分け、検品をして、発注者に納品しています。
●在宅ワークの内容は?
ー 入力業務(発送伝票等の入力)、SNS代行(HP作成、記事ライティング、発信)、デザイン(チラシ、名刺、パッケージ)、モニター調査、覆面調査等のお仕事等となります。
●きっかけは?
ー 2年ほど前、(代表宮下の)息子の預け先が突如なくなってしまったため、子どもを見ながら収入を得る方法が必要でした。その前から、子どもと一緒に働ける環境があればいいなとずっと思っていたため、この形態の事業を考え始めました。co+shegotoにも参加し、相談させていただいたのがきっかけです。
●子どもを預けてじゃなく、いっしょに働くという気持ちはどこから?
ー 子どもが育っていく過程をしっかり見守っていきたい。自分も社会と繋がっていたいけど、家庭も大事にしたい。そういった家庭も子育ても仕事も大事にしたいという気持ちからでした。
とはいえ、子どもがいることで作業効率は落ちることもあります。そういうときは、コワーキングに積極的に参加いただいて、お互いに子どもを見合ったり、「大変だよね、わかるよ」という共感をするようにしています。
●困難やメリットは?
ー 子連れなので、打ち合わせの時などに「子どもを仕事の場に連れてきて」「仕事を舐めてるのか」と言われたこともありました。でも、やはり成長を見ることができたこと、自分の時間を自分で調整しながら仕事ができることが一番のメリットだと思います。
また、今は1つの仕事を何人かのチームで受けるようにしています。その中で質問し合ったり、愚痴を吐き出してもらうことで、不安なく仕事ができるようになっていると思います。
●ワーカーさんが190人分の仕事をどのように企業から仕事をもらっているのか?
ー 実働は40人くらいです。190人分の仕事を取ってくることが理想ですが、まだまだ仕事をいただくことが課題でもあります。
初心者でも誰でも気軽にできる仕事が少ないのが現状です。たとえ、そういう仕事があっても単価が安いので、今後は、仕事を始めたばかりの人がキャリアアップしていけるような仕組みも整えていきたいと思います。
●次の展開は? 必要なパートナーは?
ー 今は自宅が事務所になっているので、そろそろ事務所を他に作ろうと思っています。託児所を運営しながら、そこで仕事ができるコワーキングスペースを作りたいですね。また、現在、県内16か所のお寺さんをお借りして、コワーキングスペースとして活用させていただいています。お寺としても「地域に開いていきたい」という想いがあるので、うまく連携が図れています。
《まとめ一言》
LINKwith&Co と 甲州KULASは仕事も似ているけど、大きく違うのは「子どもと一緒に」なのか、「子どもや家族も大事だけど、子どもを預けても仕事したい」というところ。どちらが正解ということでありません。
(5)株式会社アミナチュール ・向山香織さん
2016年に東京から山梨へ引っ越し、ご主人の祖父母の代から始めた農業に段々と関心を持ち、就農するのではなく、自分にできる事をしたいと思い、ドライフルーツ作りを始めました。きっかけは、ギフト用のフルーツは大玉で味の乗った良いものを使用し、枝の跡や少しの傷のついたものは廃棄するのを目の当たりにした時に、「こんなに美味しいのにもったいない、いい桃を年間通して全国の人に味わってもらいたい」と思い、調査や研究を重ね、他にはない無添加のドライフルーツを作ることを決めました。
●物作りや、売る時に大事にしていることは
●支援機関などの利用について
― 支援機関の存在を知らなかったため、一昨年に加工場を作った際にも助成金を受けていない。
― 次の新事業を始める際は、申請して助成金を受けたい。
●販路について
― はじめはオンラインショップとマルシェなどに出店していたが、2年目に"農家が発信するメディアサイト"を立ち上げブログを始めて、検索で上位にくるようにサイトを立ち上げた。
●農繁期に加工の方をやっていいと許可をくれた家族の理解について
― 今までにない自分にしかできないことをやりたい、はじめの5年で成果が出なかったら就農すると、家族を説得しドライフルーツ作りをはじめて、今は家族の応援もある。
●今後の目標
― 新たにスイーツ部門を設立して、ドライフルーツを使ったスイーツを作りたい。
3.参加者の様子
前回に続き今回も、バス移動で訪問先まで行きました。移動中は自己紹介をしたり、隣の席の人と話したりしていました。三箇所の訪問先では、実際に現場にお伺いしてお話を聞く事で、より興味が湧いたり、参加者も多くの事を感じることができたのではないかと思います。
帰りのバスの中では、先輩の現場見学会で「自分のやりたい」を実現させた起業家の、やる気、信念、行動力に圧倒されいい刺激を受けたと参加者からの感想もありました。
4.参加を通しての気づき
今回、現場訪問に参加して「あれやりたいな、これやってみたいな」を実現させ仕事を営んでいる女性の話を聞けて本当によかったと思いました。
頭の中で想像はするのにそれを実現できない、実現させたいのに行動に移せない方が沢山いる中で、強い信念を持って実現させた起業家の方をみて自分も頑張ろう、ととても強く思うことができました。
でもそこで大事なのは自分の身の丈にあった頑張りをすることです。
身の丈に合わない大きい目標を掲げてしまうと、そこまで辿り着く前に挫折してしまう可能性があるので、大きい目標を掲げた次にそれに向かってコツコツと小さいことから頑張ることが大事。ということも今回の現場訪問で学ぶことができました。
また、今回はバスを用意してくださったおかげで普段行けない土地に行って新しい景色や、知らなかった施設を見れたことで改めて山梨の素晴らしさ感じ、とてもいい刺激になりました。
2019.12.3 Tue co+shegoto2019 先輩の現場見学会1「カフェ&サロン系の現場訪問」
1.実施概要
2019年12月3日(火)9:30-14:30
《訪問先》
Natural Beauty School Smily 志田さおりさん
おもてなし薬膳せっちゃんごはん 馬渕節子さん
暮らしの保健室 晴れ晴れ 露木里恵さん
Rigel 五十嵐友美さん
2. 本日の流れ
(1)本日の目的説明
今日は先輩起業家の現場見学会と題して、参加者の皆さんと一緒にバスに乗り、山梨県内各地の先輩起業家のお店にお伺いします。 実際に現場を見て、直接お話を聞いて、自分自身のやりたいことやお店のイメージを持つ。やはり机の上で紙やノートを広げて考えるだけではなく、実際に自分の目で見てイメージを広げることも大事です。
今回の見学会では4名の先輩起業家の方々にお話をお伺いします。 お店や場を開くまでにはどんな苦労や工夫があったのか?どんなふうに乗り越えてきたのか?どんな風にお客さんとつながってきたのか?など、自分自身に持って帰ることのできるヒントを持って帰って欲しいと思っています。
(2)チェックイン
最初の現場に向かう道中で、参加者の皆さんに「お名前」「今日の期待」をお話していただきました。
・次のステップへ行くためにいろいろ情報を得たい。
・活躍している方々からたくさんの元気をいただきたいと思っています。
・去年の現場見学に行けなかったから、今年こそは!
・何度かセミナーを受けているが、いまいち不安で自分の気構えが整っていなかった。いろんな人たちに出会った方がいい!みなさんの第1歩を踏み出す勇気を知りたい!
こんな期待の声が聞こえてきました。
(3)Natural Beauty School Smily 志田 さおりさん
自宅の1室をサロンにし、子育て中のママ向けにハンドマッサージなどを始めた志田さん。
病院や施設に行って、患者の皆さんにハンド・フットケアをする活動の中で「これまでは一般の方々向けにやってきたが、エステサロンに来られない方々に届けたい」という想いを持つようになりました。
医療や看護の現場で、こうしたケアセラピストが必要とされていることを実感した志田さんは、新しくサロンを開業し、生徒さん向けにスクールをメインにやっています。
とにかく目の前の相手が何を必要としているのか?にとことん向き合ってきた志田さん。県外の仕事が増えてきた時には、「子どもたちと一緒に過ごせる時間は今しかない!」と日帰りで行けるところだけにしようと決め、自分が一番幸せを感じられるようにするにはどうしたらいいか?を考え、これまで決断してきたのだそう。
誰の力になりたいのか?迷った時には「どっちの方が自分が幸せでいられるのか?」でその都度判断する。
志田さんなりのこれまでの歩みを、参加者のみなさんにお話していただきました。
(4)おもてなし薬膳せっちゃんごはん 馬渕 節子さん
山梨市に薬膳料理のごはん処を開いている馬渕節子さん(せっちゃん)の現場にお伺いしました。
せっちゃんごはんの特徴は、「今日の体調はどう?」なんて会話をしながら、一人ひとりの体調や悩みにあった食を提供するというところです。そのためにお客さんが座るカウンターが馬渕さんの目線が合うような高さでつくられていたりと、自分のお店を持ったからこそできることがたくさんありました。
県内・県外の様々なマルシェに、車の中にパンパンに荷物を積み込んで移動しながら出店するのは大変でした。自分のお店を持ちたかったけど、子どもはまだ中高生。これからまだまだ学費などがかかる中で、どうしようかと悩んでいました。でもそこで「お金を産むものにお金をかけるんだよ!このお店にお金をかけることで、これからいろんなお客さんが来てくれるようになる!」というアドバイスのおかげで決意できたんだそうです。
固定の場所を持つことで動けなくなって窮屈なんじゃないかと思っていたけど、「この場があるからこそ安心して堂々と外に出られる!」。外で会った人たちに「自分はいつもここにいるよ!」と言うことができる。場を持ったことでこんな風に考えられるようになったんだと、参加者の皆さんにお伝えいただきました。
(5)暮らしの保健室 晴れ晴れ 露木 里恵さん
次にお邪魔したのは、甲府の中心街にランチの提供やスペース貸しを通して、お母さん・高齢者・障害を持った人などいろんな人たちが集う場をつくっている露木さんにお話をお伺いしました。
看護師として様々な人たちと向き合ってきた露木さん。 ご飯を食べに行こう!居心地がいいから行ってみよう!そんな場所で、ちょっとした困りごとが相談できる。予防的に関わることができる。
実際にお金を儲けるために起業したいんだ!という人はそんなに多くないかもしれない。でも、自分が助けたい相手を助けるためにお金を生み出す必要もある。だからこそ、お金のことにも向き合うんです!
と力強いお言葉をいただきました。
(6)Rigel 五十嵐 友美さん
甲府市がスタートアップを応援するために立ち上げた施設である”甲府クラフトラボ”に所属していた3ブランドが、卒業後、共同運営する形でRigel(リゲル)というお店が立ち上がりました。
今回お話を伺った五十嵐さんは、前オーナーの手塚さんを引き継ぎ、Rigelのオーナーとしてジュエリー作家さんたちと一緒にこのお店を運営しています。
何人かの作家さんたちが共同で運営し、お客様と直接出会える場としてRigelを活用しています。実際にお店に立つことによって、自分の顔を売る・お客さんのニーズを把握するなど、自分自身が立っていくために活用してもらう場になっています。 何人かで運営することの難しさも当然あります。 だからこそ「とにかくお互いに協力すること」「とにかく無理をしないこと」を大事にしています。誰かのやりたいことをみんなで応援するというチームができていないと、とても成り立たない。
だからこそ、どうやったらみんなで気持ちよく仕事を進められるのか?を考え、みんなで進めていく必要があります。
(7)チェックアウト
最後にバスの中で、参加者の皆さんが今日感じたことを一言ずつお話していただきました。 「他の人たちの取り組みを見て、自分のことを考え直す機会も大事だと思った」
「まずは自分の幸せがあって、それと同じくらいに相手の幸せがある。それをビジネスとして回る形にしている情熱と冷静さを兼ね備えているのがすごい」
「覚悟がすごい大事!試してみるじゃなくて、やるか?やらないか?自分自身も覚悟を持ってやっていきたい」
そんな感想がありました。
3.参加者の様子
やはり現場に行ってその人のお話を聞くことで、具体的なイメージが広がったり、その人の熱量を感じられたりして、参加者の皆さんにとっても大きな刺激になったのではないかと思います。
「大丈夫かな?不安だな…」という方もたくさんいらっしゃいましたが、最後にはとても勇気をもらった様子でした。
4.参加を通しての気づき
今回、現場見学会でいろんな方々の場を見させてもらい、実際にお話を聞かせていただいて、「起業」と言っても様々なスタイルがあるんだなということを改めて感じました。
いろんな選択肢で迷ったり、本当にできるのか?と不安になったり、でもそんな時に「私はなにを1番大切にしたいのか?」「どうすれば私が1番幸せを感じられるのか?」を考え、決意し、突き進んでいく。 その一歩を踏み出してきたからこそ、今の姿があると思いました。そしてその姿が、これから踏み出そうとしている参加者の皆さんの背中を押してくれたのではないかと思います。
2019.11.29 Fri co+shegoto2019講座vol.8『夢or事業 持続する経営のリアルを語る』
1.実施概要
2019年11月29日(金)10:00-12:00
ぴゅあ総合 中研修室(甲府市朝気1丁目2−2)
2. 本日の流れ
(1)本日の目的説明
今日、この会場には「創業したい」とか「起業を考えてるんだけど、だれに相談したらいいかわからない」という女性と、「応援したいんだけど、なかなか創業を希望している女性が来てくれない」と思っている金融機関や支援機関さんがいます。
経済産業省で作っている資料では、女性の起業をフェーズ0から3までの段階に分けています。「起業って何?私にできるのかな?」といった段階がフェーズ0。「起業したいという想いはあるけど、何からどう始めたらいいのか?」という段階がフェーズ1。
起業に向かって準備を始める、わたしらしく事業をしていくといったフェーズ2やフェーズ3の段階に行くまでに、今までは自分で支援機関や融資の相談に乗ってくれる金融機関を探しに行かなければなりませんでした。
いろんな起業支援の窓口や制度はあるけど、ミスマッチが起きていることもあるし、女性もどこに行っていいのか、わからないのかもしれない。
今日の目的は、それぞれの支援機関の違いを知ってもらうこと。ぜひ自分の推しメンを捕まえてください。
(2)チェックイン
まずは、参加者の皆さんと支援機関の方々も含めて、近くの3人でグループを作り、自己紹介。
(3)女性起業支援について
女性の起業を応援してる「人」「団体」「情報」「お金」「場所」等について
を書いて、グループでシェア。
《知っている事》
・bond place
・co+shegoto
・よろず支援機構
・リンクウィズ
・各商工会
・山梨中央銀行の起業セミナー
・山梨中央銀行の助成金(地方創生基金)
・信用保証協会の起業相談
・ロータリークラブ……等
《わからない事》
・どんな支援機関があるのか
・どの段階で相談に行くべきか
・どの窓口に行けばいいのか
・ボランティアに支援してくれるところはあるのか……等
(3)本日の支援機関の紹介
こちらの4名をゲストに、各支援機関がどんな人に対して、どんな支援・サポートをしているのかについてお聞きしました。
Q.どんな女性に来てほしくて、どんな価値を提供しているのか。
《県庁》
co+shegoto事業は4年目。
女性がやりたいことや課題に思っている事を思ったようにやれる環境を創るとか、場を創るとか、ネットワークを創るといったことが大事だと思い、この事業をしています。何かやりたいことがある人が、既に起業している人と知り合ったり、支援機関の人と知り合うという場が増えて来て、なんとなくでも「できそうだな」と想える人もだんだん増えてくる。具体的なアドバイスはできなくても、ワサワサとやりたい気持ちが起こる人を増やしていく、その環境を作っていきたいです。課題を解決するのに、行政だけでできることは限られているので、それを支援機関の皆さんと、チームで一緒に解決していく仕組みを作っていきたい。
その他、地域課題解決型起業支援金という助成金もあります。
《やまなし産業支援機構 》
中小企業(1名~300名規模)の支援を行っています。
フェーズ0,1で相談に来ても、実はなにも出来ません。ある程度の計画が必要です。もしまだ計画が出来ていないとしたら、まずは第1段階として、「よろず支援拠点」に行ってください。創業するのに何をしたらいいかというのを案内できるアドバイザーがいるので、入口から支援ができます。
私たちは、「やるからには成功していただきたい」という気持ちがあるので、何も計画のない人には厳しくなってしまいます。固定費やランニングコスト等の経費、そして売り上げ見込みをしっかり考えてほしい。事業をするなら、誰かの支援としてだけじゃなく、しっかり自分のところも潤わないといけないという考え方です。
「未来ファンド」という助成金もあります。
《山梨中央銀行》
銀行は、個人の方から個人事業主、中小企業、大企業までがお客様です。
全ての方を対象にしたいんですが、実は0,1フェーズは苦手。支店も含め300人ほど営業がいますが、この300人が同じように相談に乗れるかというとちょっと難しい。そのため、0,1フェーズはco+shegotoとか、いろんなところと連携をしながら、弱点を補っています。私たちができる価値の提供といえば、わかりやすくお金。お金を通して、経済を活性化するとか、夢を実現するお手伝いをしています。皆さんのご預金を銀行が一度お預かりして、それを貸し出すというのが融資。経済の循環ですね。預金を集めて、それを利用している。志ある事業を育てていって、地域を活性化していかなければ行けないというのが、金融機関の使命だと思っています。
《日本政策金融公庫》
国でやっている政策金融機関です。沖縄を除く全国に152支店あります。山梨は甲府支店のみで、全県をカバーしています。他の金融機関との大きな違いは、融資業務だけをやっているということ。中小零細企業に対しての融資が中心です。それと女性起業家の応援プロジェクトや地域の課題を解決するためのソーシャルビジネスの支援も行っています。地域の金融機関と情報を共有しながら、協調融資も提案しています。国がやっている金融機関だから、利息は安いけど、審査は厳しいという印象。なので、ここだけで難しそうな場合は、中銀や信金と組んでください。ソーシャルビジネスについても相談に乗ってくれます。
Q.女性に選ばれる支援機関とは?
《県庁》
課題にコミットしていく人が事業を成功させることができると考えています。県庁では、そういう方がたくさん活躍できるように支援をしています。山梨が課題解決先進県になるような仕組みを作っていきたいです。
《やまなし産業支援機構 》
全て聞いてあげることだと思います。その想いの部分も含めて。助成金も含めて、4月に支援機関に行って情報を集めることがおススメです。
《山梨中央銀行》
話をしっかり聞いて、結果にコミットできることかと思います。
《日本政策金融公庫》
話を聞いてあげることが大事だと思います。良いところをもっていても、こちらが引き出しきれていないと思うので。引き出せるように常に意識して聞く。相談される方もどうしたら伝わるのかをまとめておくと良いと思います。
◎まとめ
お互いに対話が必要だと思います。ただ話すだけでなく、心理的安全、この人の前ならこういうこと言っても大丈夫かなと思い合える関係性をつくること。この人だったら相談してもいいかな、そう思える支援機関さんだと安心してお話ができると思います。
(4)先輩起業家の話
(5)グループワーク
4つの「分科会」をつくります。その分科会に各支援機関が入り、参加者の疑問・質問に答えていきます。15分ずつ2回転。途中でそのグループから離れて、他のテーブルに行ってもOK。
参加者は、付箋に聞いてみたいことや疑問を書き、自分が何をするべきか、どういう支援が必要かを積極的に聞いていきます。
☆4つの分科会☆
①融資 保証人 資金調達 について
②助成金 公的な制度 行政連携について
③セミナー使える場所 各種届出について
④先輩起業家の本音が聴きたい
*
①融資 保証人 資金調達
●日本政策金融公庫はいくらまで融資可能か。
創業の融資制度があります。創業から2期を終えるまでの融資制度。無担保・無保証です。限度額は3千万だけど、目安は1千万。制度の決まりとしては、全体にかかる資金の10分の1以上は自己資金を投入してもらう。全体で1千万かかる事業であれば、100万は自己資金を投入していただき、残りを融資の申し込み。下限は200~300万というのもある。運転資金は5~7年で返済。設備については、10年以内くらいが多い。返済期間はどのくらい利益が出るのかというところも考慮します。そこも一緒に考えていきます。
●融資は何年返済の計画にしたらいいのか。
何に使うのかによって変わってきます。それが運転資金なのか、設備資金なのか。運転資金で言えば5年くらい。設備資金は7~10年。あとは収支の状況で、いくらずつ返済可能なのかを考えていきます。
●返済負担率は大体何割くらいですか。
法人の場合は利益金額と減価償却費を出して、そこから返済できるかどうかをみます。個人事業主の場合は、最後に残った手元のお金が自分の取り分になるので、そこから妥当と思われる生活費を引いた残りを考えて、返済ができるかどうかという判断します。割合というより、最後に残ったお金で返済可能かどうかです。
●収益の見込みが難しい場合は、別の収益事業を作ってもいいか。
たとえばAという事業があって、そこがなかなか収益が出ないから、じゃあBという事業をしようと考えたときに、やっていることを別々に捉えるのではなくて、全部一体でどうなるかと考えます。事業ごとではなく、組織でみる。事業計画にもいっしょに盛り込んでほしいです。
②助成金 公的な制度 行政連携
●営業許可の取れるキッチンに改装したいときの助成金はありますか?
設備を借りてそこを改修したいということであれば、その改修費について助成することはあります。商工会議所が窓口になっている国の補助金があるので、自宅の改修でおりる可能性があるとしたらそれ。設備を入れるだけの補助だと難しいかもしれない。もしくは山梨中央銀行の地方創生基金が可能性あります。やりたい事業がどういうことに貢献できるか等、内容によります。
●助成金情報のポータルサイトは?
山梨県中小企業支援ナビというのがあります。民間と支援機関の情報が載っています。甲府市産業支援サイトというのもあります。
●今からまだ間に合う助成金は?
未来ファンドも終わってしまったので、やはり4月に情報を集めるのがベスト。とはいえ、毎年同じ時期に募集がある可能性が高いので、今年あったものを来年も募集するのか等は調べておいた方がいいと思います。
●助成金に限らず、土地の利用方法。両親の土地を有効に活用できる方法はありますか。
(元々農地。親の所有だったけど、高齢になったので作物を作るのは難しい。それを生前で子が譲り受けるのがいいか、亡くなってからの方がいいか。いずれ、そこを活用して起業したい。それをどこに相談していいか)
よろず支援拠点に専門家派遣もあるので一度相談してもらえたらいいと思います。但し、農地は農地転用しないと使えませんが、譲渡されてから3年は農地転用ができません。自分がいつ事業をスタートさせるかを考えて、親の代のときに農地転用をしてしまってから受け取るほうが最短。先に農地転用をしてしまうと相続税が高くなることもあるので、会計士とか司法書士に相談したほうがいいでしょう。市の方にも相談したほうがいいと思います。
●ソーシャルビジネスのマネタイズから相談にのってくれますか
公庫さんがソーシャルビジネスを支援してくれていて、セミナー等もあるので、そういうところで勉強する機会があります。
③セミナー使える場所 各種届出
●商工会とは
●今やっている事業を法人化するには
今ある事業を法人化するには、定款をつくる、資本金、資料作成など、トータルでおおよそ35万円くらいかかるため、法人化することで信用度を得られるが、信用度がそこまで必要な業種なのかをもう一度考える必要があります。
また、法人化するにあたってNPO法人・一般社団法人・株式法人 のどれにするか決めて、そこに強い支援機関さんを選ぶ必要があります。
④先輩の本音が聞きたい
1.「おもてなし薬膳せっちゃんごはん」 馬渕節子さん
●今のお店を始めた理由、これまでの経緯は?
女性は再就職の度に、収入が減ると感じた節子さんは自分で何かを始めようと、子育て支援のイベント、ママ達の知りたい情報、ママ達にいい情報を届けたいこという想いから、ママ達のお悩み相談会を開きました。そこで多く出た悩みは「母乳の悩み」でした。その悩みを解決するために調べた結果、漢方にたどり着き、今の仕事につながった。と語ってくださいました。
2.「愛と胃袋」 石田恵海さん
●今まで融資を借りたことでの失敗体験はありますか?
もらわなきゃよかった、失敗したなと思う事はありました。融資を何度か受けていて、このタイミングでこの融資なくてもよかったのではないかと思った事はありました。なので自分に今この融資が本当に必要が考える必要があります。
そして支援機関を訪れて嫌だった事は、自分の事業の話をしている時に、相手の方に「石田さんの"夢"の話はね〜」と、自分の話していることを夢としか思ってくれてないと感じ、嫌な思いをした。と語ってくださいました。
(6)チェックアウト
今日聞いた話を踏まえて、48時間以内にすることを付箋に書き、それを3人一組でシェアしてチェックアウトとなりました。
3.参加者の様子
講座8「夢or事業を持続する経営のリアル」では、支援機関の方々と繋がれる場ということもあり、講座参加者の人数も支援機関の人数も多かったです。参加者の中には初参加の方もいましたが、3〜4人の少人数のグループに分かれたので、少しだけ緊張しつつもスムーズにチェックインやグループでの話し合いが行えたのではないかと思います。
講座の後半で4つ(1.融資.保証人.資金調達 2.助成金.公的な制度.行政連携 3.セミナー使える場所.各種届出 4.先輩の本音が聴きたい)に分かれて質問できる場(OST)では、普段窓口などでは聞けない事、聞きにくい事、を質問する事ができていました。
終了後は、OSTで時間が足りず聞けなかった事などを支援機関に質問したり、支援機関と交流、名刺交換をする女性が多く見られました。
参加者の皆さんは、2時間では少なくまだまだ聞きたいことが沢山あるという印象が見受けられました。
4.参加を通しての気づき
私自身、支援機関ごとの違いはないと思っていたのですが、話を聞いて、支援機関によって「対象にしているお客様、提供する価値、行っている活動」など、それぞれが違うことがわかりました。ですがまだ、細かい違いなどがわからないので自分で調べる必要があるなと感じました。
また後半のOSTでは、実際に支援機関を利用して自分で起業した方のお話を聴けたことで、自分の中で、より一層「支援機関を利用して起業する」ということに現実味を感じることができました。
1.実施概要
2019年11月26日(火)
【午前の部】10:00-12:00 富士東部県民センター 4階会議室A
【夜の部】19:00-21:00 cafe sowers
2. 本日の流れ
①本日の目的説明
この講座では、こんなことをやりたい! でもまず何からやったらいいんだろう?どうすればお金が回るようになるんだろう?これから先も長く続けていくためにはどうしたらいいんだろう?を考える機会にしていただきたいと思っています。
また、これらのことを自分1人で悩むのではなく、いろんな分野で活動する他の参加者や支援機関の皆さんと一緒に考えながら、講座が終わった後も相談に行けるつながりを作って帰って欲しいと思っています。
②カードを使って自己紹介
まずは今日ここにどんな人が来ているのかを知る時間として、チェックインを行いました。Points of You®というカードを使い、普段とは一味違った自己紹介。
3人1組のグループをつくり、自分や同じグループの人が選んだカードを使って、この3つのテーマでお話していただきました。
青空に飛び立つ綿毛の写真を見て、「この写真のように、自分もなにか可能性が広がるんじゃないかと思ってこの講座に申し込みました!」という方がいたり、水が目の前にあるのになかなか飲めない猫の写真を見て、「どうやったら水が飲めるのか?どうやったら自分の悩みや不安が解決できるのか?を考えたい」という方がいたりしました。
③ビジネスモデルとは?
今回の講座のテーマである「ビジネスモデル」について、講師を務めていただいた合同会社カタコトデザインの内田さんからご説明いただきました。 モノやサービスで溢れかえっている現代では、ただ作っただけではなかなか売れない。同じような商品・サービスがある中で自分のものを選んでもらうためには、「誰にどんな価値を届けるのか?」が必要になってきています。
この価値をどう生み出し、どんな人にどうやって届けるのかを整理したものが「ビジネスモデル」というもの。
この”価値”を理解するワークとして、こんな2つのテーマでグループごとに考えていただきました。
その1「遠方の夫の実家に持っていくお土産として、どんなお菓子を買っていく?」
その2「近所の気のおけないママ友5人との女子会に持っていくなら、どんなお菓子を買っていく?」
実家に持っていくためであれば、地元の銘菓だったりある程度値段のするものだったりするかもしれません。一方、女子会であれば、開けたときに「わー!」ってなる綺麗で可愛いものだったり、自分の友達が作って販売しているお菓子だったりするかもしれません。
同じ「お菓子を買うとき」でも、お客さんによって買う理由は様々だし、同じ人でも買うタイミングによって求める価値は変わってきます。
今回の講座では、この”価値”に注目しながら自分自身のやりたいことを整理していくことにチャレンジしてもらいました。
④グループ活動 (聞き取り)
自分自身の価値を自分で発見するって、なかなか難しいですよね。 だからこそ今回の講座では「相手に自分の魅力を整理してもらおう!」ということで、ここからは参加者の女性と支援機関の方の2人1組のペアで進めていきました。
そのペアで相手のビジネスややっていきたいことを聞きながら、ビジネスモデルキャンバスというシートに付箋でメモを取っていきました。
相手の話を聞きながら、「お客さんはこんな人ですか?」「お客さんにとっての価値はこれですか?」「それができるのはあなたにどんな強みがあるからですか?」などと質問していきながら、相手のやりたいことやビジネスを聞きながらまとめていただきました。
自分1人で整理するものなかなか大変です。 だからこそ今回の講座では、誰かに聞いてもらいながら客観的にまとめてもらうということにチャレンジしました。
⑤グループ活動 (紹介)
ペアでお互いのビジネスを聞き取ったところで、相手のビジネスを他のペアの人に紹介するというワークを行いました。
この人はこんな活動をしていて、こんなお客さんにこんなパートナーと一緒にこんな価値を届けています。といったように、聞き取った相手のビジネスを紹介していきました。
⑥まとめ・チェックアウト
最後にチェックアウトとして、ポストイットに「24時間以内にやること」を書き、グループの皆さんに発表して終わりとなりました。
「お金のことをこれまで全然考えてこなかった自分が、こんなビジネス講座に行ってきたぞ!と友達に自慢する」という方がいたり、「帰りに運転しながら今日のことをちゃんと振り返る」という方もいました。
3.講座の狙いや運営側の思いも紹介
今回の講座は「自分のやりたいことを、相手に聞いてもらってまとめてもらう」ということにチャレンジしてもらいました。やっている業種が違う人・年代や地域が違う人に向かって自分のやりたいことを話す。「ちゃんと話せるかな…」「ダメ出しされないかな…」という不安もあったかもしれません。でもこうして相手に話してみたり、相手からの質問をもらったりすることで、自分自身の思いが整理されたはず。
ぜひ今回の講座でご紹介したビジネスモデルキャンバスなども活用していただき、自分1人だけではなく、講座で繋がった支援機関の方々など、誰かの力も借りながら自分自身のやりたいことや事業を整理する機会を作っていただきたいと思っています。
4.参加者の様子
今回は参加者おひとりに支援機関の方が1人ずつと、マンツーマンでビジネスモデルを整理していきました。いきなりビジネスモデルについて話すのではなく、カードを使った自己紹介やどんなお菓子を持っていくか?などをグループで話したりしながら、少しずつ雰囲気が柔らかくなってきたと思います。
自分のことを自分で話しながら整理するのはなかなか難しく、今回の講座で相手に聞いてもらいながら相手に整理してもらったことで、すっきりしたところもあったんじゃないかと思います。参加者のみなさんのビジネスモデルを整理するだけではなく、支援機関の皆さんの日頃の取り組みも参加者の皆さんに聞いて整理してもらったおかげで、いろんな支援機関のことも知ることができたんじゃないかと思います。
2019.11.22 Fri co+shegoto2019講座vol.5『起業アイディアを生み出す思考法』
1.実施概要
2019年11月22日(金)10:00-12:00
南アルプス市役所 新館 B1F 会議室(南アルプス市小笠原376)
2. 本日の流れ
(1)本日の目的説明
今日のテーマはアイディア出しです。知識としてだけじゃなく、実際にいろんなアイディア出しの方法を体験していく2時間です。後半では、希望者を募って、その人のビジネスアイディアをみんなで考えていきます。
アイディアそのものも大事ですが、そのプロセスの中でどんな気づきがあったのか、どんなことが大事だったのかということの方が実は重要だったりします。
アイディアが出るか出ないかに、才能は関係ありません。アイディアには、公式のような、出し方のポイントがあります。そこに加えて必要なのは、心構え。
そこを、この講座で体験して行きましょう。
(2)チェックイン
まずはテーブル毎に自己紹介
・名前
・今何をしているか
・持って帰りたいこと(今日の期待)
この時に、普段なにやってるかとか、仕事の話や肩書は置いておいてください。肩書等を話してしまうと、その人を色眼鏡で見てしまうので、まずは目の前にいる人をありのままに感じてみましょう。
(3)アイディア出しのインプット
(4)アイディア出しの練習
発散と収束を同時に行ったパターンをやりました。
アイディアを出した瞬間に否定されるのは、そのアイディアが現実的にどうなのかと瞬時に判断してくれているということではあります。ただし、出す時間と決める時間を一緒にしてしまうと、そのアイディアが広がらなくなってしまう。
アイディアは、可能性や組み合わせがすごく大事。1本のTVCMを作るにも、没案は300以上あるそうです。
今度は、発散をどう組み合わせやっていくかの体感をしましょう。
アイディアにアイディアをつなげていくのは、なかなか難しいことです。こんなこと言ってもいいかな、これ現実的じゃないかなと思うと出てきません。なので、これどうしようかなと思っても、とりあえずは出してみて、どんどんつなげていきます。出てきたアイディアをそのままやるかどうかは別として、そこにヒントがあるかもしれません。
チームや組織でも、さまざまなアイディアを組み合わせていくことが大切です。
「アイディアとは既存の要素の組み合わせ以外なにものでもない」という定義がありますが、ゼロから考えると難しくても、何かと何かを組み合わせた瞬間にいろいろと可能性が広がっていきます。組み合わせ方にもいくつかの公式があるので、それをだれかと楽しみながらやるといいでしょう。
(5)どんどんアイディア出しタイム!
例えば、「託児」というキーワードの逆は…
子どもと一緒に事業を考える。親子で起業。というアイディアも出てくる。
こうやっていろんなものの組み合わせだけで、アイディアは出てきます。
強制的にテーマを組み合わせてみたり、常識を逆にしてみたり、ちょっと問いをずらしてみたりすると最初のときよりアイディアが出てくることも。
サービスやアイディアを考えるとき、一度「最悪」のバージョンを考えると、思考の枠を超えるので、違った切り口で考えることができます。出てきたアイディアをそのまま使うというよりは、そのプロセスの中にヒントが隠れていることもあります。
(6)アイディアの抽出/チェックアウト
1、2時間の中で気づいたこと、思ったこと、感じたこと。
2、今まででてきたアイディアで、「なるほど」「これはおもしろい」と思うもの、感じたこと。
上記2点をグループ内でシェアして、チェックアウトとなりました。
3.講座の狙いや運営側の思いも紹介
今回の講座では「アイディアの出し方」をテーマにしました。新しい商品やサービスを考えるとき、目の前の壁をどうやったら乗り越えられるかを考えるとき、どうしても自分1人だと考えられるアイディアには限界があります。この講座を通して、参加者の皆さんに感じていただきたかったのは、「誰かの視点を借りながら新しいアイディアを出すこと」と「アイディアを出すのは才能ではなく、いろんなやり方があること」です。
「できるか?できないか?」は一旦置いておいて、まずはとにかくたくさんアイディアを出してみること。いろんなアイディアを組み合わせながら、できそうなものに収束していくこと。こんなことをワークを通して体験し、今回の気づきや学びを、皆さんの現場で生かしていただければと思います。
4.参加者の様子
講座5「起業アイディアを生み出す思考法」では8つのグループに分かれてテーブルに座り講座が進められました。講座が始まる前から緊張した雰囲気はなく、参加者同士の会話があり良い雰囲気が流れてました。
講座5は、主催側がアイディアの出し方を紹介し、それをグループ内で体験する講座だったため、グループ内で話し合う事が多かったです。参加者の中にアイディアを出す事に「苦手意識」がある、という方もいましたが、講座の中で紹介されたアイディア出しの手法を実践する事で、苦手意識を感じる事なくアイディアを出す事ができていました。
最後にチェックアウトを兼ねグループ内で出たアイディアに対して感じたことを共有する場面では、直接自分のアイディアを褒めてもらえて、とても嬉しそうな表情の方も見られました。
講座終了後はテーブル関係なく沢山の方が名刺交換を行ったりし、良い雰囲気が感じられました。
5.参加を通しての気づき
講座5を振り返り心に残っている1つ目は、「アイディアを出す・考える場に専門知識を持たない第3者を呼ぶ」事です。そのような場で専門家の意見・アイディアは絶対役に立つ良いものと思っていたのですが、専門家の今までの知識や経験からアイディアの幅を狭めてしまう事もあるため、第3者(価値観の違う人)の違う角度からの視点が大事だという事に気づかされました。
2つ目は、「アイディア出しに必要なのは才能でなく公式や考え方」です。私を含め、参加者の中にもアイディアを出すことに対し苦手意識を持った人も沢山いましたが、講座で「アイディアを生み出す思考法」を教わり、さらにそれを講座内で実践する事で、より身につき苦手意識を拭う事ができたのではないかと思いました。
また、今回の講座で自分の考えを発散する場ではマイナスな事や否定的な事は考えずに発散する。発散する事で他人がそのアイディアを広げてくれる事もある。という事に気づかされたので今後の活動では積極的に発散しようというふうに思えました。
1.実施概要
2019年11月12日(火)10:00-12:00
アメリカヤ 5階 Scape(山梨県韮崎市中央町10-17)
2. 本日の流れ
(1)本日の目的説明
今日は、2年前のCo+shegotoに参加し、現在はオリジナルスタイルでパン屋を営んでいる大戸洋子さんをゲストに迎え、マルシェやイベントを通して自分の魅力を発信し、事業を育ててきた実体験をお聞きします。
後半は「じゃあ、自分の魅力とは?」を知るためのワークです。
自分の魅力って自分では分かりにくいけれど、他人から見たらココなんだというのを知る機会になることでしょう。
(2)チェックイン
まずはテーブル毎に自己紹介
・名前
・今何をしているか
・今日の期待
をシェアしました。
(3)大戸さん事例紹介(その1 販売スタイル)
ゲスト:大戸洋子(おおとようこ)さん
2歳・4歳・6歳の3人の子の育児中。その傍ら、パン屋やデザイナーとして事業をスタート。
●パン屋を始めた理由
出産前から料理が好きで、飲食店で働いていた。妊娠が発覚して、夜の勤務が難しくなったため、退職。その代わりに趣味でパン作りをスタート。ある時、webデザインの勉強を教えてくれていた方に、お礼としてパンをあげたところ「webを作れるより、パンを作れた方がスゴイじゃん」と言われ、「ハッ!」とした。パン作りは趣味だから仕事にならないし、これから修行に行くのは無理だから、パン屋になることはないだろうと勝手に思い込んでいたが、そう言われたことをきっかけに職業にしてみようかなと思った。
●課題点の克服
とはいえ、一般的なパン屋の仕事は朝が早く、夜も遅い(3時頃から仕込み)。パンの種類にもよるが、仕込みに4時間くらいかかるものも。
その中で母業とどう両立すればいいのか??
<パン屋の既成概念>
↓↓↓
この「しなくちゃ」から解放されたら両立は可能だ!と考えた。
まず、「しなくちゃ」と思った理由を考える。
→パン屋を始めるには通常1000万ほどの初期費用がかかると言われているため、返済しなければならない
→店舗維持などの固定費が発生する
→パンは単価が安いのでたくさん作って、たくさん売らなきゃ
→食品なので日持ちがしない。焼き立てが一番おいしいから毎日作る
↓↓↓
<「しなくちゃ!」からの発想を転換>
・既存のカフェの厨房を借りて焼けば、初期費用も固定費も抑えることができる
・単品ではなく、セット販売とすれば単価を上げられる
・作りたてを冷凍すれば、品質を保持しながら販売が可能
このように工夫することで、敢えて、焼き立てのパンを朝一に作って、並べるというスタイルを取らないパン屋にした。
大戸さんの今の販売スタイルは…
という4つ。
美味しいと思ってくれる人もいるけど、100%同じように感じてくれるわけではないので、そのためにも、自分ならではのオリジナルスタイルを作っている。
◎テーブル毎の感想シェア
・誰かに認めてもらえるというのは、一歩を踏み出す力になる。
・諦める理由を潰していってる
・当たり前のことに収まろうとすると自分の限界がくる。自分の一番いいスタイルが取れるなら、当たり前を捨てていく勇気
・出来る範囲で両立していけばいい
・発想の転換という部分に共感を覚えた
・自分の事業を分かりやすく見える化できる…等
子どもを持っている人は、どうしても「時間」という制限がある。
だからこそ、自分や家族を犠牲にはしないと自分で決めていること。当たり前のことだけど、見落としがち。
(4)大戸さん事例紹介(その2 マルシェやイベント販売)
大戸さんは、独学でパンづくりを学んでいるので、何年も修行している人と比べて差を感じることもあった。パンづくりについては、WEBを使って勉強してるが、販売面を働きながら学ぶことはできなかった。
そこで・・・
↓
\\ イベント販売「パンイチ!」&マルシェ販売を始めた! //
スタートとしてマルシェ出店がいいと思のは、出会いが多いという部分。
店舗を構えると、その中でお客さんが来るのを待っていないといけない。マルシェはいろいろな所で開催しているので、様々な地域のお客さんに出会える。また、他の店もあるので、そのお客さんにもご案内できる。出店者同士の出会いも大きい。
「パンイチ!」はパン屋さんが集まるので、自分の知らない知識や売り方をしている方もいたり、市場調査も出来た。それを通して、自分の商品や販売方法も磨いていくことができた。趣味で始めたところから、自分の色ができていった。
●マルシェについて
マルシェはお店の集合体。
ということは、お店が魅力的だと人が来てくれる。
たとえば、TV取材があったから、人が来てくれることもあるけれど、期待外れだったら次には繋がらない。やはり、お店の魅力を最大限に出したときにお客さんはきてくれる。
●では魅力とは?
言語化するのは難しいけれど、繰り返し出店することでお客さんの反応がわかったり、そういう所で魅力は作られていく。
●大戸さんが伝えたいこと
◎テーブル毎の感想シェア
・店舗を持たないことはいろいろチャレンジができる。強み。
・自分ブランドをしっかり持っている。
・こだわりはなくしちゃいけない。…等
(5)魅力を探すワーク
後半はいよいよ、自分の魅力を探すワークです。まずは、テーブル内でペア組。インタビューシートを使って、相手のことを探っていきます。
【インタビューシート内容(要約)】(1人15分でインタビュー)
この5項目を相手に聞きながら、メモを取る。その後、他己紹介としてテーブルの他のメンバーにその人を紹介(1人2分ずつ)。聞いている人たちは、話を聞きながらその方の魅力と思われることをポストイットに書いて、プレゼントする。
(6)チェックアウト
テーブル内全員の紹介が終わり、最後にこの2時間の「誰のどんな言動が気になったのか」をポストイットに書いて、テーブル内で共有して終了となりました。
3.講座の狙いや運営側の思いも紹介
今回の講座のゲストにお越しいただいた大戸さんは、様々なマルシェに出店するだけではなく、ご自身でもマルシェを企画・運営する経験もあります。その両方の立場から、「マルシェをきっかけに、どう事業に繋げていくのか?」「企画・運営する立場から見て、マルシェに出店する人にどんなことを意識してもらいたいと思っているのか?」などをお話していただきました。
マルシェはいろんなことを「やってみる」ことができる絶好の機会。自分自身の魅力を見つけるために、ぜひ積極的にいろんなことにチャレンジする機会としてマルシェを活用して欲しいなと思っています。
ただ「自分自身の魅力を自分で見つける」ってなかなか難しい。でも他人の魅力は結構見つけやすい。
今回の講座ではペアインタビューを行い、自分の事業ややりたいことをいろんな人に聞いてもらって、様々な視点から魅力やいいところを見つけてもらおう!ということを目指しました。
4.参加者の様子
今回のテーマが「マルシェ」ということもあり、ご自身で既に創作をスタートしていたり、活動を始められている方も見受けられました。その方々にとっても、大戸さんの事業スタイルは目から鱗状態だったのか、お話をお聞きしている間に、「自分の大切なものを削ったり、諦めたししなくてもいいんだ」という安堵の表情や希望を持った表情に変わっていく様子が分かりました。また、前半ではなかなかご自身の活動に自信がなかった方も、インタビューを通じてみんなに紹介され、魅力を見つけてもらうことで、最後はキラキラの笑顔になられた方もいました。終了後は、互いの活動を具体的に紹介し合ったり、名刺交換をしている様子も各テーブルで見受けられ、さらに繋がりができたようです。
5.参加を通しての気づき
「できない理由を探すのではなく、どうしたらできるのかを考える」というのはよく言われることで、私自身も大切にしていることですが、それを今回大戸さんの実例を通して、改めて学ぶことができました。
特に育児中の女性たちは、どうしても休止しなければならない期間や、時間の制限もあるため、王道のスタイルを取れないことが多くあります。その中で、諦めることを探すのではなく、どちらも大事にして自己実現していくというのは、どんな事業においても大切なことだと感じました。サービスを提供するのも、何かの商品を販売していくというのも、それを受け取った誰かの需要を満たし、幸せにしていくということ。そのためには、まずはそれを提供する本人が幸せな状態であるべきなのだと思います。
後半のワークで知ることができた、自分の魅力を大切にしながら、「どうありたいのか」「何を受け取ってほしいのか」そういうことを考える2時間となりました。
2019.11.8 Fri co+shegoto2019講座vol.3『場づくりとチームづくり』
1.実施概要
2019年11月8日(金)10:00-12:00
韮崎市地域交流センター 二コリ1階会議室(山梨県韮崎市若宮1丁目2-50)
2. 本日の流れ
①本日の目的説明
何かの仕事を始める時やプロジェクトを進める時にチームや仲間を作っていくことがあると思います。その時に必要なのは、多少の温度差があるにせよ、メンバーが共にそのゴールに向けて進もうという意志の統一。
よくあるのが、一緒にやろうと思っていたのにいつの間にか、その仲間が「客体化」している現象。つまり、運営側として共に動いてほしいと思っていたのに、参加者や第三者のようになってしまっている状態です。
それが起きる主な要因としては2つ
いくらHPやおそろいのTシャツを作っても、チーム内がその状態であれば、ただ単に“人が群れている”だけ。
そうならないためにも、それぞれの意志を出して、それを認め合いながら、みんなが納得して決定できる話し合いや会議の場が必要になってきます。
そこで、今回は、会議のやり方のコツやポイントをお伝えしていきます。
②チェックイン
bond place講座の恒例、まずはチェックイン。
このチェックインには、この場で自分の話をしていいんだなという雰囲気を作っていく、今その人のありのままの雰囲気を受け入れていくという意味があります。
会議においても、自分の意見を言っていいんだという場にしたい。一人ひとりが気軽に自分事を話していいんだという状態を最初に話すだけでも会議は変わっていきます。
やることは2つのみ。
これらをグループ内でシェアしていきます。
③良い会議、話し合いとは?
みんな会議を「良くしたい」というのは共通の思いです。
では、実際、みんなが考える「良い会議」とはなんでしょうか?
ということで、今まで体験した最悪の会議を思い出し、付箋を使ってグループみんなでシェアしています。
そこで出たのは、「聴くだけの会議」「答えが決まってる会議」「ゴールが決まってない」「意見が出ない」「上司が怒ってる」「時間が決まってない」「否定される」等々。
これは、今回の講座だけでなく、どこで聞いても同じようなものが並ぶそう。
「悪い会議」が出たところで、今度は「良い会議」を考えます。そこで出るのは、当然と言えば当然ですが、「悪い会議」の逆。「ゴール設定ができている」「みんなの意見が尊重される」「時間がしっかり決まっている」…等。
④話し合いの基本的な段取り
【4-1.心構え】
進行役の人がどういう気持ちで、何を大切にしてここに関わっているのかがとても重要。進行役とかファシリテーターが場の鏡になります。進行役が「こいつらまとめてやるぜ」となったら、場が自然とそういう雰囲気になります。
Q.「質問ありますか?」「意見ありますか?」と聞いても、なぜ意見が出ないのか。(2、3人で話し合う)
つまり意見がないわけではない。
これを防ぐために、
進行役は引っ張る役ではありません。実は、会議におけるネガティブな要因を取っ払うのが役目。そういう「おもてなしの心」を持っていることが会議の進行やチームを作っていく上で大切です。
とはいえ、進行役は完璧じゃなくても大丈夫。その場の人と一緒に考えていくという雰囲気や姿勢が大切です。
【4-2.事前】
会議の目的・ゴール・進め方・ルール・時間等が決まっているかどうかが大事。
その中でもゴールと時間。どこまで決めればいいのか、この会議が終わった時にどういう状態になっていたらいいのかということが具体的に決まっているかどうかです。トピックごとに細かく時間を決めておいてもいいです。そのトピックが延長してしまった場合も、みんなで「これもう時間過ぎてるけど、どうする?次に進む?それとも、これは決めちゃいたいから、他のを次の時に回す?」というのを確認しておくといいでしょう。
それらをホワイトボード等に書いておくと、みんなでより意識することができます。
会議の環境設定も大切。椅子の配置等、話しやすい環境づくりを工夫する。
【4-3.最中(発散と収束)】
会議は、共有→発散→収束→決定というのが基本的な流れ。発散して収束して、また発散して収束してというように、何度も繰り返されることもあります。共有は「事前」の部分で準備した会議のゴールや進め方について、参加者の皆さんにしっかりお伝えする時間。
発散は、選択肢を広げたり、いろんな意見を言っていいなという場。いろんな選択肢が出た上で決めていくというのが収束。その中から更に狭めて決定していきます。
【発散とは】
例えば、悪い会議の例で、「意見を言ったとたんに否定される」というのは、発散と収束が混ざってしまっている状態。出す時間と決める時間を分けると、会議は変わります。
また、意見がとっちらかっているような時は、それらの意見が「見える化」できてないことが多いです。頭の中で考えると、いろんな意見が出た時にそれを論理的に整理するのは難しい。ホワイトボード、付箋等で見える化して、今なんの話し合いをしているのかというところに立ち戻れるようにしておくといいでしょう。
◎発散のポイント
アイディアの定義は、「既存の要素の新しい組み合わせ以外のなにものでもない」。ex.えんぴつと消しゴムがくっつく等
なので、「アイディアないんだよね」ということはなく、発散で意見を出していくことで、いろんなものを組み合わせていくことが意見を出したり、アイディアを出すときのポイント。すぐに決定しなくていいので、判断は保留しながら、量を出していきましょう。
【収束・決定とは】
収束・決定には3種類の意思決定方法があります。
その1:最適化
ー判断基準を明確化して、スピーディーに決めていく方法
その2:満足化
ーみんなの満足度や納得具合、折り合えるかどうか。みんなが(最低限)満足できるものを作り上げていく方法。
その3:投票
ー最後の手段。選択肢が多い場合に、選択肢を少なくする方法
あることを決める時には、必ず目的があり、その判断基準があります。
その判断基準を元に出てきた意見を視覚的に見やすく整理していきます。
その1:最適化
たとえば、縦軸を「面白い」、横軸を「実現可能」としてマトリックスを作る。他にも、凄くおもしろいけど、実現難しいねというものについては、じゃあどうしたら実現できるようになるか等の話し合いが必要になるかもしれません。いくつかの大事にしたい基準でまとめていくという作業です。その他、ペイオフマトリックスや意思決定マトリックス、メリットデメリットを表にして判断する方法も。
→スピーディで便利。但し、採用されなかった人の不満が出る可能性もある。決まってから成果が出るまでに時間がかかる。
その2:満足化
判断基準はなく、みんなで何度も話し合いながら、納得感を作っていったり、折り合いをつけていく方法。複数のいいところを組み合わせながら、満足感を作り上げていく。完全な合意が得られない場合は、ここだけは合意しようという風にみんなで組み合わせていきます。
→1度決まると実行段階までもめることがほとんどない。但し、決まるまでに時間がかかる。抽象的な案になりがち。
その3:投票
シールなどを使ってみんなに投票してもらう方法。
【4-4.事後】
何がどこまで決まって、誰が何をするのかを確認しましょう。これは進行役でなくてもできます。
もしくは、自分が担当することになったことを一人一人が発表するというやり方。解ってない人が顕著に現れますが、そこを責める雰囲気はNG。
⑤実践
6人のグループ毎に約20分間で会議を練習してみました。
テーマ「親子で楽しめるクリスマスイベントを考える」
<概要>20~30分を前半、後半に分けて行います。
・前半:アイディアをいろんな角度から出し、3~5のポイントを抽出する。(発散3人:10分)
・後半:参加者の関心ある1~3のポイントのアイディアを具体的に考える。(収束・決定3人:10分)
テーブル毎に、今回の講座で教えていただいた、「共有」「発散」「収束」の手法を使って、会議がスタート。初対面同士も多かった中ですが、模造紙やホワイトボードにさまざまな意見が溢れ、イベントの日時から内容までは次々と決まっていきます。
みんなで一緒に協力し合いながら、意見を見える化するというちょっとした工夫で、20分でここまでできるというところが体感できたと思います。1人が進行役ではなく、みんなで作っていったというのがすごく大事。会議は長ければいいわけではなく、みんなが納得して、楽しみながら決めていくことが重要。
⑥感謝の輪ワーク
グループないでお互いに感謝を伝えあう時間。グループの中で自分の右側の人がこの場に関して、どう貢献してくれたかというのを感謝の気持ちを伝えました。
⑦チェックアウト
気づきを付箋に書いて、グループ内シェア。最後に会場の模造紙に貼って今回の講座も終了です。
3.参加者の様子
講座3「場づくりとチームづくり」では6つのグループにわかれて話し合いを進めて行きました。
初めは初対面の人もいて緊張した雰囲気もありましたが、チェックインの場で全員が自己紹介と、今の心境を述べたことにより、互いを知る事ができ、その場の緊張がほぐれた気がしました。
講座が進むにつれグループ内で話し、意見を言う場面があったり、ポストイットを使いそれぞれ自分の意見を書き出し「見える化」したりしました。
少人数で話し合ってからグループ内で共有という形を取り、全員が意見を出せる雰囲気ができていきました。
講座終了後はグループ関係なく、沢山の人達が交流を求め、名刺交換をしたりお話をしたり、とてもいい雰囲気が流れていました。
4.参加を通しての気づき
今回の講座を振り返り考えたことは「良い組織を作るには会議は楽しいものであるべき」だということです。
講座の序盤で良い会議の例、悪い会議の例、をそれぞれ意見を出す時、まずはじめに悪い会議の例からと提案されました。参加者がグループ内で悪い会議の例を出す際も、自分の実体験を述べながら発表をしていました。そのことから主催者側も参加者も会議に良い印象を持っていないと感じました。
ですがそんな良い印象を持っていない会議でも、講座3で学んだ「参加者が発言、意見を出せる雰囲気・話しやすい環境や空間づくり」「参加者みんなが納得できるように収束、決定を行う」この2つを実践することにより、良い会議を作れると思いました。
また、参加者側も主催者側を考え、会を理解し、形だけの参加ではなくしっかりと自分もこの組織の一員でこの会に参加しているんだと言う自覚を持ち参加、出席することが大事だと感じました。
2019.11.1 Fri co+shegoto2019講座vol.1『ビジネスモデルを組み立てる』
1.実施概要
2019年11月1日(金)
【午前の部】10:00-12:00 金丸文化学園(山梨県南アルプス市上今諏訪1610)
【夜の部】19:00-21:00 金丸文化学園
2. 本日の流れ
①本日の目的説明
【はじめに】
co+shegotoは今年で4年目。「山梨県女性起業支援プロジェクト」として、山梨県主催でNPO法人bond placeや支援機関と共に運営しています。
今年度は大幅に事業を拡大し、全体で15の講座や見学会という構成となっています。
その内容も連携した支援機関(金融機関・商工団体・信用保証協会や産業支援機構等)や先輩起業家で集まり、どういったニーズがあるのか、山梨県内を5エリアに分けたその各地域でどういったプログラムを開催していくのか等を数か月前から話し合い、構成を組み立ててきました。
本プログラムは、各地域で同じ講座を開催していく方式ではなく、それぞれの地域に合わせた内容となっています。全て参加してもいいし、自分の興味のあるものだけ参加してもOK。ぜひ今後のプログラムを見て、たくさんの方に参加していただきたいと思います。
【co+shegotoで大事にしていること】
①参加者同士の質を上げる
多くの方が「こういうことしたい!」と声を上げたとき、「そんなことできなくない?」とか「まだ早くない?」と言われてしまうと、せっかくの“やりたい気持ち”が消えかけてしまいます。それではもったいない。
また、起業をしてからも孤独を感じる人は多くいます。co+shegotoでは、これからやりたいという人にも、起業した人にも、共に考え、切磋琢磨できる繋がりを作ってほしいと思っています。この15の講座を通して、一緒に学んだ人と応援したり、協力し合う関係性をぜひ作ってください。
②自分の軸を作ること
起業しようとすると、どうしてもいろんな壁にぶち当たります。問題だらけになったときにも、「そもそもなぜ自分は起業したいのか」、「どんな人を助けたいのか」、「どんなことを成し遂げたいのか」という自分の中の軸が、諦めない力となります。
本講座は講師から一方的に伝えるものではなく、ワークショップ等を通してその場にいる参加者同士でいろんなことを話しながら進めていきます。話しながら、自分はなんでこんなことやろうと思ってるのかなと、自分の中を探っていく機会にしてください。
②カードを使って自己紹介
講座のスタートは、まず「自己紹介」から。
Points of You®というコーチングカードを使った自己紹介となりました。
支援機関の皆さんも含めて3人1組になり、自分の選んだカードや他の人の選んだカードを見ながら、話していきます。
テーマは3つ。
これを3人が持っているカードを交換しながら、テーマとカードの写真をつなげて話をしていきます。
最初の1枚は自分の直感で選んだカードでも、他の2枚は他者が選んだカード。それでもなんとか話せてしまうという「自分の気持ちや考えを伝える」をサポートしてくれるカードでした。
③ビジネスモデルとは?
今回の講座のテーマは「ビジネスモデルを組み立てる」
ということで、まずは「ビジネスモデルとは?」というところを、講師の内田文子氏が解説していきます。
そもそもビジネスの定義が30~40年前と変わり、モノやサービスを提供するということだけではなくなってきている。そこに必要なのは「なぜそこで購入するのか」という“価値”の部分。
その価値をどう作って、どう伝えていくかというビジネスの設計図が「ビジネスモデル」です。
今回は、それを「ビジネスモデルキャンバス」という9つのマスがあるツールを使用して考えていきます。
④グループ活動 (聞き取り)
まず、支援機関も含めて4人1グループを作ります。
その中でさらにペア組。
そのペアで相手のビジネスモデルを聞き取り付箋でメモを取っていく方式でした。
9つのマスの中で今回埋めていくのは、「顧客セグメント(誰のための価値?)」、「価値提案(どのような価値を提案するのか)」、「主要活動(価値を生み出すために必要な活動)」、「リソース(価値を提供するために必要な主なリソース)」という4つ。
ここを、
「ほかにありますか?」
「ほかの言葉で言いかえると?」
「それは●●と比べて、どんなところがいいですか?」
「それはAですか?それともBですか?どちらかというと…」
「それじゃなきゃダメなんですか?」
といった問いかけで探っていきます。
⑤グループ活動 (紹介)
聞き取り後は、必要な付箋だけをそれぞれの枠に収め、ビジネスモデルを語った本人に戻し、そのビジネスで希望する月収(経費を差し引いた手取り額)を記入しました。ここは可能かどうかは関係なく、その事業を継続していくために必要な金額でOK。
その後は、再度聞き取ってくれたパートナーにキャンバスを戻し、グループ内の他の2名に「●●さんのビジネスは(顧客セグメント)のお客様を(価値提案)にします。(価値提案)に欠かせない強みは、(リソース)です。そのために必要なことは(主要活動)です」と他己紹介してもらいます。
⑥まとめ・チェックアウト
最後に内田氏より、「今日すべてキレイにまとまっていなくても大丈夫。最初から整っているビジネスなんてない。むしろ今日まとまっていないのであれば、ここからどうしたらいいのかを考えるチャンスになる」という勇気づけられる言葉があり、講座は終了。
グループ内で「今から24時間以内にすること」を決めてシェアして、チェックアウトとなりました。
3.講座の狙いや運営側の思いも紹介
今回の講座では、「自分のやりたいことを相手に聞いてもらいながら、相手にまとめてもらう」ということにチャレンジしてもらいました。co+shegotoのプログラムの1番の特徴は、自分1人じゃなくてみんなと一緒にやるというところです。やっている業種が違う人・年代や地域が違う人に向かって自分のやりたいことを話す。「ちゃんと話せるかな…」「ダメ出しされないかな…」という不安もあったかもしれません。でもこうして相手に話してみたり、相手からの質問をもらったりすることで、自分自身の思いが整理されたはず。
ぜひ今回の講座でご紹介したビジネスモデルキャンバスなども活用していただき、自分1人だけではなく、講座で繋がった支援機関の方々など、誰かの力も借りながら自分自身のやりたいことや事業を整理する機会を作っていただきたいと思っています。
4.参加者の様子
今回は初回の講座ということもあり、初対面の参加者が多かったように感じました。最初は、どんな人がいるのか、どんなことをするのか…と緊張の面持ちで皆さんカードを選び、座っていました。
その後、アイスブレイクも兼ねた、カードを使った自己紹介でかなり場の雰囲気は緩んだようにも感じましたが、ビジネスモデルの話になると、再び緊張感が走ります。「まだそんなに決まってない…」そんな声も聞こえてきそうな空気。ところが、キャンバスを自分で書くのではなく、他者に聞き取ってもらうという方式だったためか、固まり切っていない状態でも少しずつ想いを伝えることができている様子でした。
講座の終了後には、想いに共感した参加者同士が名刺交換をしたり、おしゃべりをしたり…。たった2時間の間に、場を共有する仲間に繋がれた安心感を見て取れました。
5.参加を通しての気づき
今回レポート作成という機会をいただいた石井は、実はco+shegotoへの参加はこれで2回目。2年の時を経て、新鮮な気持ちで他の参加者さん同様に講座を受けさせていただきました。
2年前にも同様にビジネスモデルキャンバスを描く機会があったので、「あぁ、これね」と思っていたら、なんと今回は自分で書くのではなく、他者に書いてもらうという衝撃!「うまく伝えられるかな…」という不安をよそに、初対面の相手だからなのか、ゼロベースから丁寧にヒアリングしてくれて、深堀もしてくれるので、自分で描いていたビジョン以上の事業モデルが描けてしまった…という嬉しい裏切りに合いました!
他者に聞いてもらうことで、違う視点から自分の内側を眺められるということを体感した時間でした。まだボヤっと「やりたい」が浮かんでいる人でも誰かに話しているうちにアイディアが閃いたり、誰に何を届けたいのかが明確になったりするかもしれません。他者から、「こんなことがやりたいんだね」、「これがあなたの強みなんだね」と認めてもらえる場にもなっていて、終了後の参加者さんたちのホッとしたような、明るい表情が印象的でした。